右派歴史学者秦郁彦の南京大虐殺に関する言葉

カテゴリ南京大虐殺


右派の学者であるとはいえ、さすが歴史学者だけあって南京大虐殺の存在をしっかり認めている秦郁彦の姿勢は評価に値する(ただし犠牲者数を少なめに見積もっているらしいことは遺憾だが)。まともな歴史学者なら日本兵の資料など都合の悪い資料も無視するわけにはいかないので必然的に南京大虐殺の存在自体は認めざるを得なくなるのである。

これに対して南京大虐殺を無かったと言い張っているのは歴史学者でも何でもない極右の素人に過ぎない東中野修道や田中正明といった連中である。どちらの言うことにより信憑性があるのかは火を見るよりも明らかだろう。


目次


「南京事件」(秦郁彦、中公新書)より


日本が満州事変いらい十数年にわたって中国を侵略し、南京事件をふくめ中国国民に多大の苦痛と損害を与えたのは、厳たる歴史的事実である。それにもかかわらず、中国は第二次大戦終結後、百万を越える敗戦の日本兵と在留邦人にあえて報復せず、故国への引きあげを許した。昭和四十七年の日中国交回復に際し、日本側が予期していた賠償も要求しなかった。当時を知る日本人なら、この二つの負い目を決して忘れていないはずである。

それを失念してか、第一次史料を改竄してまで、「南京“大虐殺”はなかった」といい張り、中国政府が堅持する「三十万人」や「四十万人」という象徴的数字をあげつらう心ない人々がいる。もしアメリカの反日団体が日本の教科書に出ている原爆の死者数(実数は今でも不明確だが)が「多すぎる」とか、「まぼろし」だとキャンペーンを始めたら、被害者はどう感じるだろうか。

数字の幅に諸説があるとはいえ、南京で日本軍による大量の「虐殺」と各種の非行事件が起きたことは動かせぬ事実であり、筆者も同じ日本人の一人として、中国国民に心からお詫びしたい。そして、この認識なしに、今後の日中友好はありえない、と確信する。

参考資料:
「南京事件」(秦郁彦、中公新書)


  • 最終更新:2013-05-22 22:50:38

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード